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【ソウル共同】ベトナム戦争に派遣された韓国軍による民間人虐殺の際に生き残ったベトナム人女性、グエン・ティ・タンさん(59)が21日、加害責任があるとする韓国政府に約3千万ウォン(約260万円)の損害賠償を求め、ソウル中央地裁に提訴した。タンさんはインターネットを通じて記者会見し「全ての被害者の名誉回復を求める」と述べた。
タンさんは1968年2月、7歳の時にベトナム中部クアンナム省の村で韓国軍の部隊から銃撃を受け負傷、1年近く入院した。村では母や姉を含め70人以上の命が奪われたとし、生き残ったタンさんの腹部には当時の傷痕が残っている。
英国放送協会(BBC)が3月にベトナム戦争当時の韓国兵による女性への性的暴行を特集で伝えたことが、日韓外交の関係者らの間で反響を呼んでいる。
旧日本軍のいわゆる慰安婦問題を再三取り上げてきたが、ベトナムでの自国兵の行為について謝罪はしていない。BBCは、韓国の二重規範についても指摘している。
「1968-何百人もの女性を苦しめた年」と題した記事を掲載し、韓国軍兵士から被害を受けた2人のベトナム人の境遇を詳しく伝えた。そのうち1人は性的暴行を受け、3人の子供を身ごもった女性だった。
ベトナム戦争時に韓国軍兵が現地の女性を性的に暴行するなどして生まれた混血児は、「ライダイハン」の蔑称で呼ばれ、ベトナムで差別を受けてきた。その数は定かでないが、5000~3万人に上るとの説がある。
「韓国人に何が起きたのかを認めてもらう必要がある」「ライダイハンのための正義」が、国連人権理事会による調査や韓国側の謝罪を求めていることも伝えた。
「韓国は、第二次世界大戦中に、何十万人もの韓国人女性が性奴隷として働かされたことをめぐり、謝罪をするよう何十年も日本に働きかけてきた」と指摘。「何十万」という数字や「性奴隷」といった表現には問題があるものの、日本に謝罪を求めながら、自らの問題には頬かむりする韓国の姿勢を浮かび上がらせた。
ソウル市内で記者会見するグエン・ティ・タンさんの支援者ら=ソウル市内(共同)
2020年4月20日、韓国・JTBCによると、ベトナム戦争時の韓国軍による民間人虐殺事件の被害者が韓国の裁判所に国家賠償訴訟を提起する。
韓国が「加害国」の立場として裁判に臨むのは初めて。
記事によると、ベトナム政府は韓国軍による民間人虐殺の犠牲者が9000人を超えるとみている。被害に遭ったと主張するベトナム人らは昨年に韓国を訪れ、事件の真相究明を求める記者会見を開いた。しかし韓国政府は「関連内容が確認できないため謝罪できない」との立場を示していた。
これを受け、被害者の1人が21日「徹底した真相究明に基づく謝罪があれば、和解する」との考えを示しているという。
「必ず謝罪して和解しよう。今解決しなければ、後でもっと大変なことになる」「ベトナムに謝罪し、日本から謝罪を受けよう」
「日本は韓国を直接侵略したけど、韓国は参戦国としてベトナムに行った。ベトナムは戦勝国なのに参戦国に賠償を求めるなんて非常識」「なぜ訴訟の相手は韓国だけなの?。ベトナムが韓国を下に見てしている証拠だ」「謝罪を拒否したのはベトナム政府の方。それにベトナム経済を育てたのは韓国だ」
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