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  • 執筆者の写真又吉

安易な検査増が招く“PCR医療崩壊”


新型コロナウイルスをめぐる緊急事態宣言の発令から3週間が経過し、東京都などの新規感染者数増加は鈍化傾向が出てきた。「陽性率」の高止まりが指摘され、爆発的患者急増を見逃す恐れがあるとして、もっとPCR検査を増やすべきだとの主張もある。だが、京大大学院医学研究科非常勤講師で医師の村中璃子氏は、「検査対象を議論しないまま、拡充だけを主張するのは本末転倒だ」と指摘


厚生労働省によると、PCR検査の陽性者数を検査数で割った陽性率は、1月15日~4月24日までの推計で全国では10・1%だが、東京で38・1%、大阪で19・2%となっている。


陽性率が高い理由について、分母となる検査数が少ないためだとして、検査拡充論も根強い。検査を受けていない感染者が膨大におり、クラスター(感染者集団)の発生を見逃す恐れがあるという主張だ。


 日本はPCR検査を重症者中心に行ってきたが、ドイツや韓国などと比べて検査数が圧倒的に少ないとの批判もある。


村中氏は「世界保健機関(WHO)もこれまで7~12%程度の検査陽性率を目安にPCR検査を実施すべきだとし、千葉大のグループは7%以下の検査陽性率の国は死亡率が低いとのデータを出しているが、日本はそれよりずっと検査陽性率が高いのに100万人当たりの死亡者数は欧米のどの国と比べても1ケタから2ケタ少ない」と分析する。

無症状者を含めて対象を定めずに検査をすべきだとの主張については、「仮に東京だけで実際の感染者がPCRで確認している感染者の何十倍もいたとしても、その人たち全てを検査対象とすれば、今すぐ医療崩壊が起きるだろう」







目の前の患者を助けたい。救いたい。それが医師であり、看護師である。感染症の患者についてもそれは同様で、細心の注意を払いつつ、診察に当たる。


当然、リスクは高い。医師や看護師ら医療従事者が感染するケースはある。


ところが、どうだろう。聞こえてくるのは、医師や看護師に対する誹謗中傷である。


日本看護協会によれば、自身も感染した看護師が心的外傷後ストレス障害を負った事例や、子供がいじめを受けた事例を挙げて、差別や偏見の是正を訴えている。秋田県では、感染者が受診した医療機関で従事者の子供が保育園の登園を拒否された報告もあった。


「私たち医療従事者も、ストレスや恐怖に我慢して戦っています。お願いします。皆さんはぜひ、我慢と闘って、我慢してください」。公益社団法人神奈川県医師会が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する「お願い」のメッセージを発信している。それは、医療現場の実情と、テレビなど一部報道で繰り返される主張への疑問、そして今、人々はいかに行動すべきかを伝えるものだった。約3000字にわたる切実な訴えは、インターネット上で「県民だけでなく、全国民に読んでいただきたい」との声があがり、数多くの人の心に届いている。

「連日の報道で、親も子供もストレスで大変ですとマスコミが取り上げています。だから、ストレス発散のために、外出したいという気持ちもわかります。爆発的な感染拡大に若い人たちに危機感はないのは当然かもしれません。若い人は感染しても比較的軽症ですむとの報道があるからです。しかし現実は違います。若い人でも、重症化して一定数以上は死亡するのです。現実を見つめてください。


もし、自分の知り合いの人がコロナ感染症で亡くなられたらきっと哀しいはずです。そして、亡くなった人にうつしたあなたが、入院せずに軽度ですんでも本当に喜べるでしょうか。不用意に動き回るということは、その可能性を増やしてしまうことなのです。今は我慢する時なのだということを、ぜひ理解してください。出来るだけ冷静に、そして自分を大切に、そして周囲の人を大切に考えてください」


専門家でもないコメンテーターが、まるでエンターテインメントのように同じような主張を繰り返しているテレビ報道があります。視聴者の不安に寄り添うコメンテーターは、聞いていても視聴者の心情に心地よく響くものです。不安や苛立ちかが多い時こそ、慎重に考えてください」


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